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漸化式のまとめ

今回は漸化式についてです。
なんというかパターン覚えゲー感がありますね。
東大編入界隈では、漸化式を "離散的な微分方程式" のように扱う解法で解くみたいなお話で盛り上がっていたようです。

等差数列パターン

an+1=an+d a_{n+1} = a_n + d

という形で表される漸化式のパターンです。
(係数なし、定数項あり。)

等差数列は、初項をaa、公差をddとすると、

an=a+(n1)d a_n = a + (n - 1)d

と表され、

d=an+1an d = a_{n+1} - a_n

が成り立ちます。
この d=d= の式、漸化式を変形しただけの形ですので、そのまんま等差数列の一般項を求めるようにして解けばよいわけです。

例題1

次の漸化式を解け。

a1=2,an+1=an+3 a_1 = 2, , a_{n+1} = a_n + 3

初項 a=a1=2a = a_1 = 2、交差 d=an+1an=3d = a_{n+1} - a_n = 3 である等差数列とみなすことができるので、

an=a+(n1)d=2+(n1)3=2+3n3=3n1 \begin{aligned} a_n &= a + (n - 1)d \ &= 2 + (n - 1) \cdot 3 \ &= 2 + 3n - 3 \ &= 3n - 1 \end{aligned}

等比数列パターン

an+1=ran a_{n+1} = r \cdot a_n

という形で表される漸化式のパターンです。
(定数係数なし、他の項なし。)

等比数列は、初項をaa、公比をrrとすると、

an=arn1 a_n = a \cdot r^{n - 1}

と表され、

r=an+1an r = \frac{a_{n+1}}{a_n}

が成り立ちます。
この r=r= の式、漸化式を変形しただけの形ですので、そのまんま等比数列の一般項を求めるようにして解けばよいわけです。

例題2

次の漸化式を解け。

a1=5,an+1=3an a_1 = 5, , a_{n+1} = 3 \cdot a_n

初項 a=a1=5a = a_1 = 5、交比 r=an+1/an=3r = a_{n+1} / a_n = 3 である等比数列とみなすことができるので、

an=arn1=53n1 \begin{aligned} a_n &= a \cdot r^{n-1} \ &= 5 \cdot 3^{n-1} \end{aligned}

階差数列パターン

an+1=an+bn a_{n+1} = a_n + b_n

という形で表される漸化式のパターンです。
(定数係数なし、他の項あり。)

数列 {an}\left{ a_n \right} の階差数列 {bn}\left{ b_n \right} は、

bn=an+1an b_n = a_{n+1} - a_n

という数列です。
これは、この漸化式を変形しただけですね。
したがって、次の公式を使うだけで、数列 {an}\left{ a_n \right} の一般項を求めることができます。

an=a1+k=1n1bk(n2) a_n = a_1 + \sum_{k = 1}^{n - 1} b_k , (n \geq 2)

なお、この公式で得られる一般項では、(n2)(n \geq 2)となっています。
しかし、a1a_1 は問題文中で与えられていると思います。
ですから、(n2)(n \geq 2)の場合の一般化した式に n=1n=1 を代入してみて、場合によっては、答案は n=1n = 1 の場合も成り立つといったことも追記しておきましょう。

例題3

次の漸化式を解け。

a1=1,an+1=an+2n a_1 = 1, , a_{n+1} = a_n + 2n

階差数列を {bn}\left{ b_n \right} とすると、

bn=an+1an=2n b_n = a_{n+1} - a_n = 2n

と表せる。
したがって、

an=a1+k=1n1(bn)(n2)=1+k=1n1(2k)=1+2k=1n1k=1+212(n1)(n1+1=1+n(n1)=n2n+1 \begin{aligned} a_n &= a_1 + \sum_{k = 1}^{n - 1} \left( b_n \right) , (n \geq 2) \ &= 1 + \sum_{k = 1}^{n - 1} \left( 2k \right) \ &= 1 + 2 \cdot \sum_{k = 1}^{n - 1} k \ &= 1 + 2 \cdot \frac{1}{2} (n - 1) (n - 1 + 1 \ &= 1 + n(n - 1) \ &= n^2 - n + 1 \end{aligned}

例題4

次の漸化式を解け。

a1=3,an+1=an+3n a_1 = 3, , a_{n+1} = a_n + 3^n

階差数列を {bn}\left{ b_n \right} とすると、

bn=an+1an=3n b_n = a_{n+1} - a_n = 3^n

と表せる。
したがって、

an=a1+k=1n1(bn)(n2)=3+k=1n1(3n)=3+k=1n1(33n1)=3+33n1131=3+323n132=3n1+32 \begin{aligned} a_n &= a_1 + \sum_{k = 1}^{n - 1} \left( b_n \right) , (n \geq 2) \ &= 3 + \sum_{k = 1}^{n - 1} \left( 3^n \right) \ &= 3 + \sum_{k = 1}^{n - 1} \left( 3 \cdot 3^{n-1} \right) \ &= 3 + 3 \cdot \frac{3^{n - 1} - 1}{3 - 1} \ &= 3 + \frac{3}{2} \cdot 3^{n - 1} - \frac{3}{2} \ &= \frac{3^{n - 1} + 3}{2} \end{aligned}

平行移動数列パターン

an+1=pan+q a_{n+1} = p \cdot a_n + q

という形で表される漸化式のパターンです。
(定数係数あり、定数項あり。)

これは、平行移動数列 というものを使って求めます。
(これは私が勝手にネーミングしました。)

適当な α\alpha を使って、

α=pα+q \alpha = p \cdot \alpha + q

という式を立てます。
そして、与式からこの式を引いて、

an+1α={pan+q}{pα+q}(an+1α)=p(anα) \begin{aligned} a_{n+1} - \alpha &= \left{ p \cdot a_n + q \right} - \left{ p \cdot \alpha + q \right} \ \left( a_{n+1} - \alpha \right) &= p \cdot \left( a_n - \alpha \right) \end{aligned}

とします。
ここで、数列 {anα}\left{ a_n - \alpha \right}平行移動数列 といい、一般項は (anα)=anα\left( a_n - \alpha \right) = a_n - \alpha とします。
この数列は、元の数列を α\alpha だけ平行移動したイメージなのですが、それは後ほど説明します。
さて、この平行移動数列は、よく見ると等比数列パターンの形をしています。
ですので、平行移動数列 {anα}\left{ a_n - \alpha \right} の一般項 (anα)=\left( a_n - \alpha \right) = \cdots を求め、α\alpha の具体的な値を求めて、α\alpha を移項してやれば、元の数列 {an}\left{ a_n \right} の一般項も求めることができます。
これだけだとイメージしずらいので、例題を解いてみましょう。

例題5

次の漸化式を解け。

a1=1,an+1=12an+1 a_1 = 1, , a_{n+1} = \frac{1}{2}a_n + 1

α\alpha による式、

α=12α+1 \alpha = \frac{1}{2} \alpha + 1

を与式から引き、

an+1α=(12an+1)(12α+1)(an+1α)=12(anα) \begin{aligned} a_{n+1} - \alpha &= \left( \frac{1}{2} a_n + 1 \right) - \left( \frac{1}{2} \alpha + 1 \right) \ \left( a_{n+1} - \alpha \right) &= \frac{1}{2} \left( a_n - \alpha \right) \end{aligned}

平行移動数列 {anα}\left{ a_n - \alpha \right} の漸化式を得る。
これは等比数列パターンであるから、

(anα)=(a1α)(12)n1 \begin{aligned} \left( a_n - \alpha \right) = \left( a_1 - \alpha \right) \cdot \left( \frac{1}{2} \right)^{n - 1} \end{aligned}

となります。
ここで、(a1α)\left( a_1 - \alpha \right) は平行移動数列の初項です。
ところで、α\alpha の式は以下のようにして解くことができます。

α=12α+1(112)α=112α=1α=2 \begin{aligned} \alpha &= \frac{1}{2} \alpha + 1 \ \left( 1 - \frac{1}{2} \right) \cdot \alpha &= 1 \ \frac{1}{2} \cdot \alpha &= 1 \ \alpha &= 2 \end{aligned}

この α\alpha の値と、問題文で与えられた a1a_1 の値を、平行移動数列の一般項の式に代入して、

(anα)=(a1α)(12)n1an2=(12)(12)n1an=(12)n1+2 \begin{aligned} \left( a_n - \alpha \right) &= \left( a_1 - \alpha \right) \cdot \left( \frac{1}{2} \right)^{n - 1} \ a_n - 2 &= (1 - 2) \cdot \left( \frac{1}{2} \right)^{n - 1} \ a_n &= - \left( \frac{1}{2} \right)^{n - 1} + 2 \end{aligned}

さて、ここで、平行移動数列 {anα}\left{ a_n - \alpha \right} について軽く補足しておきます。
平行移動数列は、

(anα)=(12)n1,{anα}=1,12,14,18,116, \begin{aligned} \left( a_n - \alpha \right) &= - \left( \frac{1}{2} \right)^{n-1}, \ \left{ a_n - \alpha \right} &= -1, -\frac{1}{2}, -\frac{1}{4}, -\frac{1}{8}, -\frac{1}{16}, \cdots \end{aligned}

というように、初項 1-1 で、公比 12\frac{1}{2} の等比数列です。
一方、元の数列 {an}\left{ a_n \right} は、

an=(12)n1+2,{an}=1,32,74,158,3116, \begin{aligned} a_n &= - \left( \frac{1}{2} \right)^{n-1} + 2, \ \left{ a_n \right} &= 1, \frac{3}{2}, \frac{7}{4}, \frac{15}{8}, \frac{31}{16}, \cdots \end{aligned}

というように等比数列ではありません。

グラフ

このグラフからも直感的にわかるように、α=2\alpha = 2 だけ下に平行移動させた平行移動数列の方が一般項が簡単な等比数列の形になっており、この解法では、平行移動数列の一般項を求めてから、後から平行移動を戻してやっているだけなのです。
最初に立てた α\alpha の式は、漸化式にしたとき、定数である平行移動量 α\alpha に対しても、左辺の第n+1項と右辺の第n項に対応する平行移動量の関係式が成り立つということを表しています。

変形パターン

漸化式の両辺に同じ値だけ掛けるなどの操作を行い、変形した数列をつくり、その変形した数列が上に挙げたようなパターンになっているようにし、変形した数列の漸化式を解くことで、元の数列の漸化式を解くようなパターンです。
基本的に、定数/変数係数と変数項がくっついているようなパターンで有効です。

例題6

次の漸化式を解け。

a1=1,an+1=3an+5n a_1 = 1, , a_{n+1} = 3 \cdot a_n + 5^n

これは ana_n に定数係数がかかり、変数を含む項 (指数) がくっついてきているパターンです。
基本的なパターンに持ち込むために、追加の項に変数が含まれないようにしたいです。
そのため、両辺を 5n5^n で割ってみます。

an+15n=3an5n+1 \frac{a_{n+1}}{5^n} = 3 \cdot \frac{a_n}{5^n} + 1

すると、追加の項に変数 nn は含まれなくなりました。
しかし、これでは問題があります。
第n+1項部分と第n項部分がどちらも nn に対応していることです。
(あまりうまい表現ではありませんが。)

変形した形を別の数列とみなす (として扱う) とき、項の番号を表す変数 nn が変形した後の数列でも、その後の番号と対応してほしいのです。

{an}{an};an=f(n,an),an+1=f(n+1,an+1) \left{ a_n \right} \to \left{ {a_n} \prime \right} ; \ a_n \prime = f(n, a_n), , {a_{n+1}} \prime = f(n+1, a_{n+1})

変形後の数列 {an}\left{ a_n \prime \right} では、第n項 ana_n \prime は元の数列の第n項 ana_nnn を含む何かで表されていてほしく、第n+1項 an+1a_{n+1} \prime は元の数列の第n+1項 an+1a_{n+1}n+1n+1 を含む何かで表されていてほしいわけです。

ちゃんとこのような対応にするために、今度は問題の漸化式の両辺を 5n+15^{n+1} で割ってみます。

an+15n+1=35an5n+15 \frac{a_{n+1}}{5^{n+1}} = \frac{3}{5} \cdot \frac{a_n}{5^n} + \frac{1}{5}

ここで、変形後の数列 {an}\left{ a_n \prime \right}an=an5na_n \prime = \frac{a_n}{5^n} とおくと、

an+1=35an+15 {a_{n+1}} \prime = \frac{3}{5} \cdot a_n \prime + \frac{1}{5}

というように、変形後の数列に対する、平行移動数列パターンの漸化式の問題に置き換えることができました。
この漸化式を解くと、

an=310(35)n1+12 a_n \prime = - \frac{3}{10} \cdot \left( \frac{3}{5} \right)^{n-1} + \frac{1}{2}

となり、

an=an5n,an=5nan a_n \prime = \frac{a_n}{5^n}, , a_n = 5^n \cdot a_n \prime

より、求める数列の一般項は、

an=5n3n2 a_n = \frac{5^n - 3^n}{2}

となります。

例題7

次の漸化式を解け。

a1=1,an+1=anan+3 a_1 = 1, , a_{n+1} = \frac{a_n}{a_n + 3}

an0a_n \neq 0 より、0での除算にならないため、両辺の逆数をとって、

1an+1=an+3an1an+1=1+31an \begin{aligned} \frac{1}{a_{n+1}} &= \frac{a_n + 3}{a_n} \ \frac{1}{a_{n+1}} &= 1 + 3 \cdot \frac{1}{a_n} \end{aligned}

ここで、変形後の数列 {bn}\left{ b_n \right} を、

bn=1an b_n = \frac{1}{a_n}

とおいて、

bn+1=3bn+1 b_{n+1} = 3 \cdot b_n + 1

という平行移動数列のパターンの形にし、これを解くと、

bn=3n2 b_n = 3^n - 2

となる。
したがって、

an=13n2 a_n = \frac{1}{3^n - 2}

例題8

次の漸化式を解け。

a1=3,an+1=9an3 a_1 = 3, , a_{n+1} = 9 \cdot {a_n}^3

両辺の底が3の対数 log3\log_3 をとって、

log3(an+1)=log3(9an3)log3(an+1)=log3(9)+log3(an3)log3(an+1)=2+3log3(an) \begin{aligned} \log_3 \left( a_{n+1} \right) &= \log_3 \left( 9 \cdot {a_n}^3 \right) \ \log_3 \left( a_{n+1} \right) &= \log_3 \left( 9 \right) + \log_3 \left( {a_n}^3 \right) \ \log_3 \left( a_{n+1} \right) &= 2 + 3 \cdot \log_3 \left( {a_n} \right) \ \end{aligned}

ここで、数列 {bn}\left{ b_n \right} を、

bn=log3(an) b_n = \log_3 \left( a_n \right)

とおくと、

bn+1=3bn+2 b_{n+1} = 3 \cdot b_n + 2

となり、これは平行移動数列のパターンの形であり、これを解くと、

bn=23n11 b_n = 2 \cdot 3^{n - 1} - 1

となる。
ana_nbnb_n には次の関係が成り立つので、

bn=log3(an)an=3bn b_n = \log_3 \left( a_n \right) \Leftrightarrow a_n = 3^{b_n}

求める一般項は、

an=323n11 a_n = 3^{2 \cdot 3^{n-1} - 1}

例題9

次の漸化式を解け。

a1=12,nan+1=(n+2)an+1 a_1 = \frac{1}{2}, , n \cdot a_{n+1} = (n + 2) \cdot a_n + 1

両辺を nn で割って、

an+1=n+2nan+1n a_{n+1} = \frac{n+2}{n} \cdot a_n + \frac{1}{n}

さらに、両辺を n+2n+2 で割って、

an+1n+2=ann+1n(n+2) \frac{a_{n+1}}{n+2} = \frac{a_n}{n} + \frac{1}{n(n+2)}

これだと、nnn+1n+1 で、変数 nn の対応がうまくいっていないので、さらに両辺をn+1n+1で割って、

an+1(n+1)(n+2)=ann(n+1)+1n(n+1)(n+2) \frac{a_{n+1}}{(n+1)(n+2)} = \frac{a_n}{n(n+1)} + \frac{1}{n(n+1)(n+2)}

とする。
これは、元の与式から、n(n+1)(n+2)n(n+1)(n+2) を両辺に割った形となる。
ここから、数列 {bn}\left{ b_n \right} を、

bn=ann(n+1) b_n = \frac{a_n}{n(n+1)}

とおくと、

bn+1=bn+1n(n+1)(n+2) b_{n+1} = b_n + \frac{1}{n(n+1)(n+2)}

のように階差数列パターンの形となる。
数列 {bn}\left{ b_n \right} の階差数列を {cn}\left{ c_n \right} とすると、

cn=bn+1bn=1n(n+1)(n+2) c_n = b_{n+1} - b_n = \frac{1}{n(n+1)(n+2)}

となり、数列 {bn}\left{ b_n \right} の一般項は、

bn=b1+k=1n1ck(n2)=a11(1+1)+k=1n1{1n(n+1)(n+2)}=1212+12k=1n1{1n2n+1+1n+2}=14+12{121n+1n+1}=12+12n(n+1)=n2+n12n(n+1)(n1) \begin{aligned} b_n &= b_1 + \sum_{k = 1}^{n - 1} c_k , (n \geq 2) \ &= \frac{a_1}{1 \cdot (1 + 1)} + \sum_{k = 1}^{n - 1} \left{ \frac{1}{n(n+1)(n+2)} \right} \ &= \frac{1}{2} \cdot \frac{1}{2} + \frac{1}{2} \sum_{k = 1}^{n - 1} \left{ \frac{1}{n} - \frac{2}{n + 1} + \frac{1}{n + 2} \right} \ &= \frac{1}{4} + \frac{1}{2} \left{ \frac{1}{2} - \frac{1}{n} + \frac{1}{n + 1} \right} \ &= \frac{1}{2} + \frac{1}{2 n (n+1)} \ &= \frac{n^2+n-1}{2n(n+1)} , (n \geq 1) \end{aligned}

したがって、求める一般項は、

an=n(n+1)bn=n2+n12 \begin{aligned} a_n &= n(n+1) \cdot b_n \ &= \frac{n^2 + n - 1}{2} \end{aligned}

n+1を代入して階差数列を作るパターン

an+1=pan+f(n) a_{n+1} = p \cdot a_n + f(n)

という、定数係数と変数を含む追加の項があるパターンです。
追加の項が指数関数であった場合、指数法則でうまいこと両辺に同じ値を掛ける操作で、別の数列の問題に帰着させることができたのですが、今回はそれができません。
そこで、与式の nnn+1n+1 を代入し、第n+2項と第n+1項の漸化式を作り、元の数列 {an}\left{ a_n \right} の階差数列 {an+1an}\left{ a_{n+1} - a_n \right} に関する式を立てて解きます。
言葉では説明しづらいので、例題を解いてみます。

例題10

次の漸化式を解け。

an+1=3an+2n1 a_{n+1} = 3 a_n + 2n - 1

この式の nnn+1n+1 を代入し、第n+2項と第n+1項の漸化式を作り、それから元の与式を引くと、

a(n+1)+1=3an+1=2(n+1)1an+2=3an+1=2n+1 \begin{aligned} a_{(n+1)+1} &= 3 a_{n+1} = 2 (n + 1) - 1 \ a_{n + 2} &= 3 a_{n+1} = 2n + 1 \end{aligned}

(an+2an+1)=3(an+1an)+2 \left( a_{n + 2} - a_{n + 1} \right) = 3 \left( a_{n+1} - a_n \right) + 2

となり、階差数列 {bn}\left{ b_n \right} を、

bn=an+1an b_n = a_{n+1} - a_n

とおくと、

bn+1=3bn+2 b_{n+1} = 3 \cdot b_n + 2

となり、平行移動数列パターンの形となる。
これを解くと、

bn=43n11 b_n = 4 \cdot 3^{n-1} - 1

となる。
{bn}\left{ b_n \right} は元の数列 {an}\left{ a_n \right} であるから、一般項の公式が成り立ち、

an=a1+k=1n1bk(n2)=1+k=1n1(43n1)k=1n11=1+43n1131(n1)=1n+1+2(3n11)=23n1n(n1) \begin{aligned} a_n &= a_1 + \sum_{k = 1}^{n - 1} b_k , (n \geq 2) \ &= 1 + \sum_{k = 1}^{n - 1} \left( 4 \cdot 3^{n - 1} \right) - \sum_{k = 1}^{n - 1} 1 \ &= 1 + 4 \cdot \frac{3^{n - 1} - 1}{3 - 1} - (n - 1) \ &= 1 - n + 1 + 2 \cdot \left( 3^{n - 1} - 1 \right) \ &= 2 \cdot 3^{n - 1} - n , (n \geq 1) \end{aligned}

3項間漸化式

例題11

次の漸化式を解け。

a1=1,a2=5,an+25an+1+6an=0 a_1 = 1, , a_2 = 5, , a_{n+2} - 5 a_{n+1} + 6 a_n = 0

これは3項間漸化式ですね。
これも、

{an+2αan+1}=β{an+1αan} \left{ a_{n+2} - \alpha \cdot a_{n+1} \right} = \beta \cdot \left{ a_{n+1} - \alpha \cdot a_{n} \right}

というように、数列 {an+1αan}\left{ a_{n+1} - \alpha \cdot a_{n} \right} の漸化式の等比数列パターンとして扱うことができます。
an+2a_{n+2}に何かしらの係数がかかっているときも、漸化式全体 (両辺) をその係数で割ってやれば、この形を作ることができます。

この変形後の式は、

{an+2αan+1}=β{an+1αan}an+2αan+1βan+1+αβan=0an+2(α+β)an+1+αβan=0 \left{ a_{n+2} - \alpha \cdot a_{n+1} \right} = \beta \cdot \left{ a_{n+1} - \alpha \cdot a_{n} \right} \ a_{n+2} - \alpha \cdot a_{n+1} - \beta \cdot a_{n+1} + \alpha \beta \cdot a_n = 0 \ a_{n+2} - \left( \alpha + \beta \right) \cdot a_{n+1} + \alpha \beta \cdot a_n = 0 \

となり、与式と係数比較をして、

{α+β=5αβ=6 \left{ \begin{array}{l} \alpha + \beta = 5 \ \alpha \beta = 6 \ \end{array} \right.

という連立方程式を得ることができます。
これを解けばいいわけですが、2次式の因数分解と同じ考え方で「足して5、掛けて6」を満たす α\alphaβ\beta の組を見つけます。
この場合、α=2,β=3\alpha = 2, \beta = 3 または α=3,β=2\alpha = 3, \beta = 2 ですね。
α\alphaβ\beta の順番はどっちでもいいので、2通り成り立ちます。
すると与式を変形した式は、

(1){an+22an+1}=3{an+12an} \left{ a_{n+2} - 2 \cdot a_{n+1} \right} = 3 \cdot \left{ a_{n+1} - 2 \cdot a_{n} \right} , \tag{1}

(2){an+23an+1}=2{an+13an} \left{ a_{n+2} - 3 \cdot a_{n+1} \right} = 2 \cdot \left{ a_{n+1} - 3 \cdot a_{n} \right} , \tag{2}

となる。
これらをそれぞれ、等比数列の解き方で解くと、

( 1’ ){an+12an}={a22a1}3n1{an+12an}={521}3n1{an+12an}=3n \begin{aligned} \left{ a_{n+1} - 2 \cdot a_{n} \right} &= \left{ a_{2} - 2 \cdot a_{1} \right} \cdot 3^{n-1} \ \left{ a_{n+1} - 2 \cdot a_{n} \right} &= \left{ 5 - 2 \cdot 1 \right} \cdot 3^{n-1} \ \left{ a_{n+1} - 2 \cdot a_{n} \right} &= 3^{n} , \tag{ 1' } \ \end{aligned}

( 2’ ){an+13an}={a23a1}2n1{an+13an}={531}2n1{an+13an}=2n \begin{aligned} \left{ a_{n+1} - 3 \cdot a_{n} \right} &= \left{ a_{2} - 3 \cdot a_{1} \right} \cdot 2^{n-1} \ \left{ a_{n+1} - 3 \cdot a_{n} \right} &= \left{ 5 - 3 \cdot 1 \right} \cdot 2^{n-1} \ \left{ a_{n+1} - 3 \cdot a_{n} \right} &= 2^n , \tag{ 2' } \ \end{aligned}

となる。
最後に、(1)(2)(1') - (2') より、

{an+12an}{an+13an}=3n2n(32)an=3n2nan=3n2n \begin{aligned} \left{ a_{n+1} - 2 \cdot a_{n} \right} - \left{ a_{n+1} - 3 \cdot a_{n} \right} &= 3^n - 2^n \ (3-2)a_n &= 3^n - 2^n \ \ a_n &= 3^n - 2^n \end{aligned}

となる。

連立漸化式

例題12

次の連立漸化式を解け。

a1=1,b1=2,{an+1=4an2bnbn+1=an+bn a_1 = 1, , b_1 = 2, , \left{ \begin{array}{l} a_{n+1} = 4 a_n - 2 b_n \ b_{n+1} = a_n + b_n \ \end{array} \right.

このパターンの連立漸化式は、

{an+1+pbn+1}=q{an+pbn} \left{ a_{n+1} + p \cdot b_{n+1} \right} = q \cdot \left{ a_n + p \cdot b_n \right}

というように、aとbを含む (で作られる) 数列の等比数列の形を作って解くことができます。
左辺の第 n+1n+1 項に、それぞれの式を代入して、第 nn 項の式を作ると、

{an+1+pbn+1}=q{an+pbn}(4an2bn)+p(an+bn)=qan+pqbn(4+pq)an+(2+ppq)=0 \left{ a_{n+1} + p \cdot b_{n+1} \right} = q \cdot \left{ a_n + p \cdot b_n \right} \ (4a_n - 2b_n) + p \cdot (a_n + b_n) = q \cdot a_n + pq \cdot b_n \ (4 + p - q) a_n + (-2 + p - pq) = 0

となる。
一般にこれを満たすとき、

{4+pq=02+ppq=0 \left{ \begin{array}{l} 4 + p - q = 0 \ -2 + p -pq = 0 \ \end{array} \right.

これを満たす。
これを解くと、

q=4+p q = 4 + p

2+ppq=02+pp(4+p)=0p23p2=0 \begin{aligned} -2 + p - pq &= 0 \ -2 + p -p (4 + p) &= 0 \ -p^2 - 3p - 2 &= 0 \ \end{aligned}

p=3±94(1)(2)2=32±12 \begin{aligned} p &= \frac{3 \pm \sqrt{9 -4 \cdot (-1) \cdot (-2)}}{-2} \ &= - \frac{3}{2} \pm \frac{1}{2} \ \end{aligned}

(p,q)=(1,3),(2,2) (p, q) = (-1, 3), (-2, 2)

となり、この p,qp, q を変形する式に代入して、

(1){an+1bn+1}=3{anbn} \left{ a_{n+1} - b_{n+1} \right} = 3 \cdot \left{ a_n - b_n \right} , \tag{1}

(2){an+12bn+1}=2{an2bn} \left{ a_{n+1} -2 b_{n+1} \right} = 2 \cdot \left{ a_n -2 b_n \right} , \tag{2}

が得られる。
これも等比数列の解法で解くと、

(1’){an+1bn+1}=3{anbn}{anbn}={a1b1}3n1anbn=23n1 \begin{aligned} \left{ a_{n+1} - b_{n+1} \right} &= 3 \cdot \left{ a_n - b_n \right} \ \left{ a_{n} - b_{n} \right} &= \left{ a_1 - b_1 \right} \cdot 3^{n-1} \ a_n - b_n &= 2 \cdot 3^{n-1} , \tag{1'} \ \end{aligned}

(2’){an+12bn+1}=2{an2bn}{an2bn}={a12b1}2n1an2bn=32n1 \begin{aligned} \left{ a_{n+1} -2 b_{n+1} \right} &= 2 \cdot \left{ a_n -2 b_n \right} \ \left{ a_{n} -2 b_{n} \right} &= \left{ a_1 - 2b_1 \right} \cdot 2^{n-1} \ a_n - 2b_n &= 3 \cdot 2^{n-1} , \tag{2'} \end{aligned}

(1)(2)(1') - (2') より、

(anbn)(an2bn)=23n132n1bn=23n132n1 \begin{aligned} (a_n - b_n) - (a_n - 2 b_n) &= 2 \cdot 3^{n-1} - 3 \cdot 2^{n-1} \ b_n &= 2 \cdot 3^{n-1} - 3 \cdot 2^{n-1} \ \end{aligned}

(1)(1')bnb_n を代入して、

an=23n1+bnan=23n1+(23n132n1)an=43n132n1 \begin{aligned} a_n &= 2 \cdot 3^{n-1} + b_n \ a_n &= 2 \cdot 3^{n-1} + ( 2 \cdot 3^{n-1} - 3 \cdot 2^{n-1} ) \ a_n &= 4 \cdot 3^{n-1} - 3 \cdot 2^{n-1} \ \end{aligned}

まとめ

漸化式はパターン覚えゲーですね。
"数列の一般項を含む数列" で捉えて、それに基本パターンの解法を適用することで解けるものがほとんどです。
とにかくこの考え方に慣れましょう。

作成日: 2018/12/16, 最終更新日: 2019/01/09